2023年より新しく「イノウエ」グループの一員となった竹本。
町田部長、野中顧問のお二人に竹本の発展の歴史や、新生・竹本のこれからを伺いました。
中・長期的な成長を持続していくための成長投資の注力ポイントや事業展開について、語っていただきます。
町田部長
地元神戸では「神船(しんせん)」の愛称で知られる三菱重工業 神戸造船所に約40年勤め、2022年3月末に定年退職、4月1日から竹本の担当部長として営業部の方針決定や戦略の策定など事業計画の進捗推進を担当
竹本は本社と高砂営業所、三原営業所のそれぞれで地域に密着し、業界の大手企業様と太いパイプを作っています。例えば、本社は環境、原子力発電、水力発電、宇宙、防衛関係。高砂営業所は火力発電、航空、環境、海洋関係。三原営業所は軌道車両関係という具合です。今後はこのセグメントごとに、収益力を更に高度化・強化していくことが大事です。
竹本では、従来から本社や営業所などの場所ごとに売上や利益、在庫、経費などを把握する、場所別管理を行っています。
これに加えて、製品区分ごとのセグメント管理を新たに実施します。そうすることで更にスピーディな意思決定、迅速な損益予想、それを踏まえた戦略・戦術構築、その速やかな実施を可能とし、収益力の高度化を図ります。
次のステップとして、場所別管理を縦軸、セグメント別管理を横軸に、今まで場所別に進めていた点の戦術を線としてつなげ、更に面へと領域を広げ、それらを総合して戦略へと変えていきます。これらを通じ、さらに強い竹本に変革します。
上述した内容で実現を目指している全社戦略のキーワードは、代表挨拶、採用社長メッセージにもありました「高度なお客様満足度」と「他にないソリューションによるニッチトップ」です。
全社戦略を各場所の成果責任やコンピテンシーに落とし込み、それを踏まえて、一人ひとりの社員が全社の戦略に沿った判断や行動ができるようになることが理想です。皆が全社の利益や成長を意識した行動や思考をすることで、最強な竹本と生まれ変わることができると期待しています。
私達が携わる事業のなかでも特にエネルギーや環境領域はこれからが正念場となり、事業領域の拡充を進めることが重要です。
日本の原子力発電所は、主にBWRと呼ばれる「沸騰水型原子炉」と、PWRと呼ばれる「加圧水型原子炉」の2つの型式に分かれますが、東日本で原子力事業を強化する日立製作所様と密接な取引を行う「イノウエ」は、BWR事業で高機能材料のご提案や高いエンジニアリング能力を発揮し、事業拡大を狙っています。西日本ではPWRタイプが多く採用されており、竹本と長年の取引がある三菱重工様は原子力発電プラントメーカーとしてPWRで用いる重要設備を製造供給、国内のPWR全てに納入してきた実績を持っておられます。
近年では、東日本大震災により運転が停止された原子力発電プラントも順次運転が再開されており、積極果敢な営業戦略が奏功され、三菱重工業様の原子力の仕事量は、PWRよりもBWRの方が多くなっておられるのが現状です。
「イノウエ」グループの一員となった竹本も、三菱重工様の原子力発電事業のサポートを通じ、全国全てのPWR、BWR原子力事業に貢献して参りたいと考えています。
しかしながら、竹本はかなり後発組です。だからこそ、他社がやってこなかった独自のソリューションのご提案が必要となります。
経済産業省が中心となって策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の時間軸に合わせて、どの時期にどれほどの規模でどんな事業が実施されるのか、情報収集を行い、慎重に見極めながら、それぞれの営業戦略を練り、柔軟かつ機動的にPDCAを回していきます。
PWR、BWR、さらにその先にある、原子力発電の将来炉「高温ガス炉」は30年代初頭に建設着手、40年代に運転開始と計画されています。実行可能性を検討する基本・詳細設計から許認可および建設、運転へと移行段階であり、今こそ新規参入最大の好機と考えています。
お客様とコミュニケーションを細かく取り、情報を集め、課題を抽出することが、私たちのビジネスの出発点になります。そこから自分たちだけでなく、イノウエやイノウエの協力会社と協働し、他社がやっていないビジネスへ繋げていく。イノウエグループとなって、そのネットワークやノウハウを活かし、お客様が抱える様々なニーズや課題に応えるようなソリューションを提供してこそ、私たちも成長できると確信しています。
竹本に入社すれば、ビジネススキルから人間性まで、自分をプロフェッショナルに磨きあげることが可能です。キャリアを積んで大きく成長し、竹本で自信をつけてほしいと思います。日々が勉強、気付きの連続です。私自身も、まだまだ成長途上だと考えています。是非一緒に成長して参りましょう。
野中顧問
大学新卒で竹本に入社。創業者の竹本修の時代から始まり、現・木村社長就任以降も40年以上、竹本の発展を支えてきた。自らの積み上げた経験値を活かし、時代やお客様のニーズの変化にあわせ、次世代が決断経験値を積めるような環境整備に尽力
竹本は1956年、竹本修が神戸市灘区に個人企業「竹本商店」を創立したことを始まりとしています。以来、70年近く続く、各種プラント・環境装置・電子機器・情報通信機器、その他あらゆる産業界で必要とする諸機械、設備を提案販売する専門商社として、お客様のニーズを支えてきました。2010年にはプラント機器などを扱う総合商社「西華産業」のグループの一員に、そして2023年からは金属材料商社「イノウエ」のグループ企業に。竹本本来の良さを生かしながら、各企業の強みをプラスオンすることで、競争力を高めてきました。
私たちは創業以来、「お客様のお困りごとに寄り添う」という姿勢を重視し、事業拡大を続けています。メーカーさんとお客様をつなぐため、その間に入ることで、課題を解決し、自分たちを含め、皆を成功に導く調整役をしています。商材をご提案する中で、こだわっているのはお客様からの信頼を得ることです。竹本が扱っているのは商材というカタチあるものですが、実は私たちの強みは商材そのものというよりも、長い歴史で培われた経験やノウハウといったカタチのないもの。様々な商材の特徴を把握し、それをそのまま提案するだけでなく、材料の提案や現場に合わせたカスタマイズなど、各種「ソリューション」の提供も行います。今後もお客様に寄り添い、お役に立つために、社会の変化にいち早く対応し、専門性を高めていきます。
まさに竹本の歩みは、お客様のお困りごとを解決する、“お役立ち”への挑戦の歴史です。
竹本では商材が多岐にわたるため、覚えることは山のようにありますが、竹本に勤めるだけで、何社分もの知識に匹敵する、凝縮された商材知識を身につけられます。イノウエグループとなったことで強化されたエンジニアリング事業も、イノウエから社内に専門家を迎え入れ、ノウハウを学習中。商品やサービス知識を深めていくためにメーカーカタログを読み込んで自身で勉強することはもちろん、社内でも研修の場を設けていますし、さらに仕事先のお客様やメーカーさんから教えてもらうことも少なくありません。常に「待ちの姿勢」ではなく、「積極的に働きかけて行く組織文化」が竹本の真髄。ポジティブで前向きな姿勢と、支えてくれる社内外の人へのリスペクトも忘れず、謙虚さを持っていれば、どんどんスキルアップできる環境が整えられています。
上司、部下関わらず、社内の仲間にリスペクトがある、人間関係が良好な竹本。2024年には事務所を神戸市東灘区住吉から三宮のド真ん中に移転し、ピカピカの新事務所になりました。管理職と営業が2フロアに分かれていた以前と違い、今はワンフロアで社内でのコミュニケーションもより活発になっています。「皆で協力して、お客様、産業や社会のためになる仕事がしたい!」という人はやりがいを持って働ける会社です。地元神戸では老舗企業として知られ、実際に働いてみると、大手取引先や事業規模の大きさに驚くことでしょう。ぜひ竹本でその醍醐味を実感してもらいたいと思います。